東京工業大学のR2年度編入試験を受けました(8/26現時点ではまだ合否は不明です)(合格しました)。とりあえず試験前~本番の話だけ書いておきます。
試験前日
最初の敵は睡眠でした。
自分はとにかく決まった時間に寝て起きるというのが苦手です。どんなに前の日に規則正しく寝ても、夜眠れなくなる確率バグが発生することがあり、それを睡眠チャレンジなんて呼んでました。一回バグると生活リズムを治すまでに一週間程度要するため、東工大の前に受けた、高専専攻科や農工大の試験の前日も全く眠れないまま挑みました。東工大にこんな最低のコンディションで臨めば返り討ちにされるだろうことは目に見えていたので、本番前一週間はとにかく早めに寝ることで、バグの影響を軽減することにしました。
しかしその努力も虚しく、二日前の夜は一睡もすることができなかったため、試験前日は睡眠時間ゼロで東京に向かいました。前日は眠すぎて全く勉強できませんでしたが、仮眠をとったら眠れなくなることは明白だったので、起きていることだけに全意識を集中させていました。
結果的には、9時から6時まで眠ることができました。奇跡としか思えず、この時点で半分くらい勝った気持ちになりました。
これから受験する方に伝えたいのは、もし精神的、身体的に少しでも不安があれば、勇気を出して病院に行きましょうということです。受験に関わらず言えることではありますが。自分は睡眠の質も、精神もボロボロだったにも関わらず、受験が終わったあとに病院に行くことにしました。今思えば受験前の精神状態はナシよりのナシでしたが、適当な理由をこじつけて行こうとしませんでした。こういう馬鹿にならないようしましょう。
因みに、宿泊場所は
大井町駅の東京バニアンホテルです。
東工大の近くは宿泊地がないのである程度離れたところから行くことになります。他のところがどうかは分かりませんが、
大井町駅から
大岡山駅は朝でも普通に座れるくらいには空いていたので、宿泊地としては十分でした。ホテルは好みによると思いますが、エアコンがちゃんと効くところにしましょう。
試験一日目
数学(120分)
東工大の数学は120分という長時間に対して問題数は少なく、難易度もそこまで高くはないのでしっかり取りましょう。逆に部分点がないのでここでミスったら落ちるくらいのつもりで挑みましょう。
問題内容と出来ですが
- 連立方程式
- 3次正方行列の対角化
- 二問目は2つの行列A,Bどちらも対角行列にできるような対角化行列を求めるような問題でした。ABの対角化行列がそうなる気がしました。途中で数字を書き間違えて手間取りました。答えは合ってると思います。どうしてそうなるのかという説明は書きましたが、いまいち証明になってないです。
- 極値問題
- ヘッシアンが使えない&ラグランジュの未定乗数法使う&定数の値によって場合分けをするというイヤラシイ問題でした。(解き直したらヘッシアン使えました。最初から全く見当外れでした、悔しいです。9/1)その時は完璧に書いて合ってたつもりでしたが、途中の論証で間違えて場合分けの半分間違えました。代入すればすぐ分かることなのに論証を厳密にすることばかり考えてました。ちゃんと確かめしましょう。
- 重積分
- 領域を正しく設定しさえすれば簡単な積分計算で求まるものでした。
当日は絶対10割行けたくらいの気持ちでいました。実際は間違いがあったわけですが、その後の試験のモチベーションには繋がったのでまあ良いでしょう。減点の度合いにも依りますが、7割くらいでしょうか。
物理(90)
- 剛体、慣性モーメント、単振動など
- そんなに難しくないと思いますが、問われていることと違うことを書いているのに気づいて最後の数分で直しました。10
- 電磁気
- 電場、磁場、電気回路と、電磁気の総集編みたいな感じでした。有限円筒で、無限じゃないことにビビって変な間違いをしました(実際はそんなに影響なかった)。それから電場のエネルギーという言葉が意味しているものが分からず電位を求めてしまいましたが多分違うと思います。全体的に変な問題が多く、全部解いたけど合ってる確証はない感じでした。7
- 熱力学
- 簡単だと思います。与えられた文字以外を勝手に使いそうになりました。10
7割くらいは取れたと信じたいです。
化学(90)
- 無機化学
- 高校範囲ですが一個分からず、それが原因で芋づる式に間違えたっぽいです。
- 難溶性塩
- 高校範囲で簡単なはずですが、変な間違いをいくつかしました。
- 熱力学
- ヘルムホルツの自由エネルギーをど忘れして新しい式を生み出しました。
- 量子力学
- 直前に同じく東工大受けた友人に聞いてたおかげで解けました(物理化学に手を付けたのが1週間前で、参考書持ってない上に学校の図書館がずっと閉まってた)。
- それから、量子力学で存在確率が最大となる電子の半径を求めるような問題が出ましたが、これだけは全く何も書けませんでした。
- Sn1、Sn2置換反応に関する語句問題、アルケンのsyn付加、anti付加による立体構造について。
- 芳香族の安定な立体配座を問う問題、ジアゾ化によるメチルオレンジの生成等。
- cis-デカリンの立体配座が分からず、とりあえず舟型をつなげて濁しました(解答にイス型を2つ繋げたと間違えて書いたことに後で気づいて更に恥ずかしいことに)。
- ジアゾ化は最初の反応以外間違えました。メチルオレンジが酸性、塩基性で構造が変わるのは知っていましたが、なぜか塩基性で無色になると思って(それはフェノールフタレインだし酸性下)ジアゾ基をぶっ壊しました。
思ったより出来ませんでした。問1などは間違えるような問題ではないはずなので悔しいです。6割行けば嬉しいです。
二日目
一日目は快眠できましたが、二日目は10時にベッドに入って眠れたのが3時とかでした。 眠れないから起きて勉強し始めるというようなことをしないようにしました。3時でも眠れただけマシだし、もし眠れたら英語の結果が上がってたのかと言われたらそういうことでもないとも思います。
英語(90)
- 子供が魔法的なものを信じること、成長するにつれてどのようにそれが変遷していくか的な話
- 例年通りの比較的長い文でした(噂のH31年度の問題を自分は見たことないので知りませんが)。文章は分かりやすかったですが、内容問題の選択肢で肝心な部分の意味がわからず選択肢が絞りきれないことがありました。
- 英作文が長い方にあって焦りました(学部の過去問しか解いてないので普通なのを知らないだけかもしれないですが)。内容は、子供の頃の”magical thinking”について説明せよみたいな感じです。全部埋めましたが、焦って滅茶苦茶な文章を書いてしまったので、かなり減点を食らっていると思います。
- 有名な逸話「カンガルー語源は『知らない』」の真相
- 本文をあまり読まなくても答えられる問題で、選択肢の語彙や熟語表現が自分には分かりませんでした。
- 知ってる話だったので比較的に楽に読めました。(それと、どこかで見たことある気がしましたが、正体は早稲田大学の過去問でした。Captain Cookが出てくる長文があったのでそれと勘違いしてたっぽいです。)
全体的に英文自体は読みやすかったです。和訳、英訳は簡単で、英訳は並び替えなのでやさしいです。選択問題は語彙がわからないとどうしようもなく、地力が出てしまったのだと思います。
解く順番は、ざっと目を通して二問目からって感じです。
半分取れてたら良いですが…
面接
情報工学科は面接官が三人でした。厳格な雰囲気はなく、話を聞いてくれている感がちゃんとあり、話しやすかったです。
以下、聞かれたことと答えたことです。
- 将来的にそういう方面で社会に貢献したい。そう思ったのは研究でデータ解析をやってその面白さを感じたから。
- 3DCGが好きでそれ系のこと。プラットフォームを聞かれたのでUnity、UnityではC#使ってると答えた。できる言語はpythonとC#しか言ってないのでそれ以外が出来ないことになってたら困る(変に謙遜するとこういうことが起きる)。
- できれば研究がしたいので博士取りたい的なことを言った。
終わったあとは結構言いたいこと言えたと思ったけど、言語の話など、もしかしたら齟齬があるかもしれない。
それから、試験結果、行きたい研究室などを聞かれてなかったので、ダメだったかもしれないという説がある。
気にしても無駄なので合格発表まで、受験から開放された余生を過ごしたいと思います。
後日どういう勉強をしたかは記事にします(しました)。